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細内所長、韓国招聘講演に行く!

コミュニティ・ビジネスの日韓フォーラム

2008年9月18日(木)、韓国のソウルにおいて開催されました「コミュニティ・ビジネス 日韓フォーラム」に
コミュニティ・ビジネス・ネットワーク理事長の細内信孝氏が招かれ、基調講演を行いました。その概要をお知らせ致します。

「コミュニティ・ビジネス 日韓フォーラム」
  〜地域+オルタナティブ経済の希望探し “コミュニティ・ビジネス”を論じる〜

◆日 時: 2008年9月18日(木/ソウル)〜19日(金/完州)
◆場 所: 忠武アートホール(ソウル市)、全北道立美術館(完州)
◆主 催: 韓国希望製作所+日本希望製作所
◆後 援: 韓国行政安全部, 完州郡, 農協中央会, 土地公社その他

◆概 要
 2008年9月18日(木/ソウル)〜19日(金/完州) の2日間にわたり、韓国の希望製作所主催によるコミュニティ・ビジネス日韓フォーラムが開催されました。「地域+オルタナティブ経済の希望探し'コミュニティ・ビジネス'を論じる」と題し、地域の未来を創造していく手段としてコミュニティ・ビジネスが、重要な役割を果たすものと期待され、行われたものです。 「希望制作所(HOPE INSTITUTE)」は3年前に韓国において設立され、日本では林泰義氏が「日本希望製作所」の理事長を担ってます(事務局長桔川純子氏)。 フォーラムの主な目的は、次の3つ、「コミュニティ・ビジネスに関する具体的で深い事例の分析と情報の共有」、「コミュニティ・ビジネスの韓国的モデルを構想する本格的な
論議の場」、「地域づくりの新しい傾向についての市民的共感の輪と専門家のネットワークの形成」というものでした。
今回のフォーラムをきっかけとして、日韓の交流が促進され、コミュニティ・ビジネスに関する議論が双方に深まることが期待されます。

◆2008年9月18日(木)細内理事長による基調講演
フォーラム初日冒頭の講演をコミュニティ・ビジネス・ネットワーク理事長の細内信孝が行いました。その後、キム・ジェヒョン 氏(希望製作所 副所長, 建国大 教授)、キム・キョンニャン氏 (江原大学校 農経済学科教授)、ソン・ミリョン氏 (農村経済研究員教授)、キム・ジェボム氏 (国土研究員)、イ・ウォンジェ氏(ハンギョレ経済研究所長)の
各氏を交えた討論会が行われました。

◆今回のフォーラム(2008年9月18日〜19日)では、細内信孝CBN理事長のほか、次の方々が参加しました。
広石拓司 (株式会社empublic 代表取締役, NPO ETIC senior fellow) 、伊佐 淳(久留米大学経済学部教授)、関原 深(株式会社インサイト代表取締役)、中森まどか(コミュニティビジネスサポートセンター 事務局長) 、中村陽一 (立教大学教授) 、本田 節 (「ひまわり亭」オーナー) 、桔川純子(日本希望製作所・事務局長) 

◆開会挨拶
○金才賢/希望製作所コミュニティビジネス研究所長・建国大学環境学科教授

このセミナーのために、日本より細内信孝コミュニティビジネス総合研究所長にお越し頂きました。はるばるお越し頂き深く感謝申し上げます。今回、リーマンの件は世界的規模で大きな影響を及ぼしておりますが、この事件をきっかけに、グローバルビジネスに対し、地域の独自的な経済サイクル、経済規模を構築していくことが、大切であるということを、改めて強く認識します。地域の歴史や資産を活用し、企業として成り立つものにしていくというコミュニティ・ビジネスの視点の重要性を感じます。韓国では、個人投資家を蟻軍団と言っていますが、個人が集まれば大きな力になります。 今回のフォーラムを皮切りに、韓国でもコミュニティビジネスが地域活性化のきっかけとなり、
特に、農村地域において、意義のあるものになることを期待します。そしてひいては韓国全体に大安をもたらすきっかけになることを期待しています。

○イン・ジョンヨプ/完州郡守(市長)
今回の日韓コミュニティビジネスフォーラムを企画頂き、我々に希望を与え、明るい光を照らして下さる、希望製作所に感謝申し上げます。地域創生の新しいモデルを自ら探し、自分たちを取り戻す方法を学びながら、農村にも希望をもたらすことができるかどうかが、地域のリーダーの役目です。 グローバルビジネスの影響により、地域は阻害され、人々は勇気を失っている状況です。現場の事情が分からない専門家による口だけの政策よりは、現場で一つでも具体的に何が出来るかを、今回のフォーラムを通して学びたいと思います。専門家の先生方がご提案して下さった考え方に基づき、地域の為に出来ることを実践していきたいと考えております。農村問題、地域問題は
切羽詰まっている状況です。どうぞ宜しくお願い致します。

○ドックベエパク氏/韓国政府農林水産食品部次官
まずは日韓のフォーラムの開催おめでとうございます。また、日本よりお越し頂きました細内信孝コミュニティビジネス総合研究所長に深く御礼申し上げます。今まで、韓国の農村漁村は急速な産業化を経て、その結果として地域における悪循環が起こっておりました。そのために、これまで政府は、消費者と生産者を結ぶ株式会社を作るなど、いろいろな努力を講じてきました。農村体系プログラムを作り、1社1村として、都市の会社と農村との交流プログラムもありますが、これもうまく機能しておりません。政府の努力だけでは限界があることを認めざるを得ません。コミュニティ・ビジネスの体系のもとで、農村と漁村が発展すべき道に期待したいと思っております。日韓両国の専門家に参加頂くフォーラムが、有意義なものとなり、韓国の農村や漁村の地域がより良くなることを願っております。

○細内信孝/コミュニティビジネス総合研究所長・コミュニティ・ビジネス・ネットワーク理事長
「コミュニティ・ビジネス」という言葉は今から15年前の1994年に作りました。そして日本におけるコミュニティ・ビジネスは東京都墨田区両国で行ってきた、町の仕事起こしに始まります。これが日本のコミュニティ・ビジネスのスタートになっています。日本には、ソニーやホンダのような大きな会社の企業城下町が形成されていますが、一方で、スモールビジネス、コミュニティ・ビジネスが地域の再生やマネジメントには必要です。車の両輪として、両方必要なのです。墨田区には障害者の車椅子をカスタマイズする事業もあります。 「コミュニティ・ビジネスの効果」としては、人間性の回復、社会問題の解決、生活文化の継承・創造、経済基盤の確立などが考えられます。 地域社会には、コミュニティ・ビジネスで取り組まなければいけない、沢山の"暗いつぶやき"があります。そうしたとき、コミュニティ・ビジネスは、地域資源を活用し、地域に多くの雇用を作り出します。いわば、コミュニティ・ビジネスは社会参画の場を作り出すものといえるのです。イギリスでは「ソーシャル・エクスクルージョン(Social Exclusion)」という言葉があります。職を失うと社会的排除に合ってしまいます。そうならないためにも各人がスキルを磨き、地域を再生することが大切です。 コミュニティ・ビジネスとはそうした社会問題解決のために、かつ継続性をつけるためにあえてビジネスの視点を入れて展開するものなのです。最後にコミュニティ・ビジネス成功の道は、社会的企業を意識し、マネージャーとそれを支える働き手を、いかに育成していくかです。適任者がいなければ公募することも必要です。日本のコミュニティ・ビジネスの場合、プレイヤーよりもまわりで
それを応援する人の方が多いというジレンマがあります。

以上、同行した東海林伸篤CBN事務局長のレポートでした。